多くの介護職員が一度は悩んだことがあるといわれる「職場環境あるあるネタ」の一つに、人間関係が挙げられます。
介護の現場では年齢も経歴も、そして国籍もさまざまな人が働いています。仕事に対する価値観もそれぞれ異なりますから、仕事の進め方や意見が対立して人間関係が悪い職場もあります。また、小規模な事業所が多いため、どうしても人間関係の幅が狭くなり、特定の人の意見だけが通ってしまう、パワハラなどのハラスメントが発生するといったトラブルもみられます。
これに加えて、人手不足も人間関係の悪化に拍車をかけいています。だれもが忙しいので相手を思いやる余裕がなく、声を掛け合ったり協力し合ったりする職場環境が作りにくいからです。
また、人手不足で管理職の人材が不足し、人間関係の調整やマネジメントをできる人が職場にいない場合も多く、人間関係の改善が行われないままといったケースもよく見受けられます。このような職場では、悩みを相談できる上司がいないことも問題となるでしょう。
職場環境の改善課題は労働時間から賃金、教育システム、IT導入など多岐にわたりますが、職員マネジメントも職場環境と大きくかかわります。
しかし人間関係は、労働時間や賃金とは異なり、数字で具体化できません。このため、事業所側も具体的な解決策を提示できない場合も多いようです。多少のつらいことも、仲間と励まし合い、協力すれば乗り越えられます。逆に、人間関係が悪いと、チームワークが形成できません。その結果、人間関係に悩む人が増えるのです。