2022年12月、厚生労働省は介護職員が働きやすい職場に環境改善を行うための方法をまとめた、政策パッケージを公表しました。その内容をみていきましょう。
他業界に比べて給与が低めといわれている介護業界です。厚生労働省では、職員の給与アップなどの待遇改善を行うためには、まず経営改善を行って、事業所の収益を上げる必要があると考えています。そして経営改善を実現するためには、業務の生産性を上げることが不可欠です。
介護事業所は中小事業者も多いので、経営規模に限界があるなどの理由で、賃金を上げたくてもできないケースも多いのです。このため、介護事業所だけでの努力では事態がなかなか改善しないと指摘されてきました。
そこで、自治体などとの横断的な協力関係を結び、業績を上げるための仕組み作りが求められています。
政府が作成した具体的な政策パッケージとしては、次のような具体的な内容が示されています。
1点目は、職場改革のためのワンステップ窓口を設置して、相談窓口をわかりやすくすることです。また、職員の負担を軽減するためのICT機器・介護ロボット導入についても、ワンステップ窓口と連携して支援します。
2点目は、介護事業所の意識改革です。優良事業所の認定制度や職員表彰制度、経営の「見える化」などによって、事業者の経営改善意欲を高めます。
3点目は、IOTなどの技術活用と業務効率の向上です。福祉用具の導入に加え、処遇改善加算や職員配置基準の見直し、行政手続きのデジタル化などによる業務の簡素化を目指します。
行政と事業所が連携し、より良い職場環境作りが進むことが期待されています。